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2002/9/26

トヨタ、画期的な歯形成形工法・設備(マルチローラー歯形成形機)を開発



トヨタ自動車(株)(社長 張 富士夫、以下トヨタ)は、オートマチック・トランスミッション(以下A/T)に使用される歯形部品を、従来の成形機に比べ、大幅にコンパクト化、低コスト化し、加工時間の短縮を実現した新工法・設備(マルチローラー歯形成型機)を開発した。トヨタでは、この成形機を本年秋以降発表のA/Tの生産より導入していく予定としている。
 自動車の主要構成ユニットであるA/Tは、近年も需要が増加傾向にあるが、その構成部品はユニットの性質上、動力伝達・変速のために、高精度・高剛性が要求される歯形部品が多く、従来は、鍛造粗形材の切削加工・熱処理による製造法が主流であり、高い生産性を確保することが困難であった。しかし、昨今の国際競争力確保、地球環境対応の必要性から、コスト低減や高効率生産を推進することが課題となる中、トヨタでは、生産技術革新のキー・テクノロジーとして、板素材を用いたプレス加工技術に早期から着目し、プレス加工への転換と新技術の研究を進めてきた。

 プレス加工の工法としては、歯形しごき加工、カム成形、グローブ転造等があり、A/Tのクラッチ部品(動力伝達装置)については、可能なものからこれらの工法へ転換しつつあるが、いずれも高精度・高剛性と、高効率の生産を両立することが困難であった。しかし、近年の経営環境、エンジンの高性能化等を背景に、これら相反する要素を両立しながら、プレス加工へ転換することの必要性が高まりつつあり、新工法の開発に鋭意取組んできた。

 今回開発したマルチローラー歯形成形法は、A/Tのクラッチを構成するクラッチハブの成形に使用されるもので、ローラーを用いたプレス型と、多段成形機構の新開発により、高精度・高剛性を確保しつつ、従来の成形機に比べ、画期的なコンパクト化、低コスト化、加工時間の短縮を実現した。具体的には、歯形を成形するために部品の外周に放射状に配置したローラー状の金型を、コンパクトに多段に重ね、その中にプレス粗材を通過させながら連続的に成形を行う工法で、摩擦が小さく潤滑油も必要としない画期的な工法である。
・コンパクト化 従来機の1/5程度(容積比)
・投資額 従来機の1/2以下
・消費電力 従来機の約2割減
・加工時間 従来機のサイクルタイムの1/2以下
     (*全てグローブ転造との比較)

トヨタでは、今後も生産技術の革新に鋭意取組み、高品質・低価格の製品づくりと環境に優しい車づくりを目指していく。



<注>

* 1―歯形しごき加工:



・ 製品の外周を被う一体のプレス型を製品に摩擦させながらプレスし、部品の成形を行う工法。生産性は高いが、歯形の精度確保が難しい。

* 2―カム成形:

・ カムパンチと呼ばれるプレス型を、歯形と同じ数だけ製品の外周に配置し、一度にプレス・成形する工法。生産性は高いが、歯形の精度確保が難しい。

* 3―グローブ転造:
・ 2つのローラー状のプレス型により、製品の歯形を加工。製品を回転させながら、製品の周りの歯形を2つずつ加工する。歯形精度は高いが、生産性が低い。

* 4―クラッチハブ:
・ A/Tの中にあり、変速のため動力の伝達経路を切り替える機能を持つユニットの構成部品。動力がクラッチドラムより入力され、クラッチハブより出力される。

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